目標

お盆なので亡くなった母方の祖父のことを書こうと思う。

祖父は10年ほど前に膵臓がんで亡くなった。当時僕はまだ独身だったので、僕の奥さんや子どもに会わせることは叶わなかった。

祖父は口数の少ない人だった。口を開いてもぶっきらぼうに一言、二言話すような感じで、THE昭和の親父というような人だった。だけど家族への愛情に溢れていて、自分の妻や子や孫が楽しそうに話していると、新聞を読む振りをしながら側で静かに微笑んでいる、そんな人だった。僕がほんの小さい頃、祖父が僕を膝に載せてパチンコを打っていたのをおぼろげに覚えている。

僕は祖父にアレをしろとか、逆にコレをするなと言われた記憶が一つもない。僕の成長を生まれた時から身近で見守ってきた祖父にとって、例えば僕が不登校気味になったり、就職が決まらず大学卒業してプータローしてたとき等に一切口出しをしないというのは容易ではなかったはずだ。きっと思うところが色々あっただろう。でも何も言わなかったのは、言ったところでそれが僕のプレッシャーにしかならないとわかっていたからではないだろうか(単に孫に嫌われたくなかっただけかもしれないが…)。事実、当時周囲から言われたアレコレは僕にとって何のためにもならないどころか弊害となった。

将来僕の子どもが人生の壁にぶち当たったとき、祖父のように一歩引いて見守れればと思う。まあ、実際その時になったらやっぱり口出ししたくなるのかもしれないけど(^_^;)